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メルマガを発行する上での法律基礎知識


【1】メルマガのタイトルと「商標権」======================================

 他人の登録している商標を無断で使用することは、商標法に違反します。登録商標は「商品を表示するものとして」の利用を禁止されているのですが、たとえ購読無料のメルマガであっても、メルマガ名に登録商標は入れないようにしましょう。

 なお登録商標については、特許庁のホームページの「特許電子図書館」「初心者向け簡易検索(商標)」のページで、簡単に調べることができます。


【2】著作権と「引用」の範囲(「複製」との違い)=============================

 著作権法第2条(定義)によると、

 「一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものを言う。」

 とあり、人の手で一定の工夫がなされている場合は、広く「著作物」という概念が成立すると考えられています。

 著作権法では、原則的に著作権者が複製権を有すると規定し(第21条)、第30条以下に、著作権の及ばない場合(例外)を列挙しています。
     ・第30条 私的使用のための複製
     ・第31条 図書館等における複製
     ・第32条 引用
     ・第33条 教科用図書等への掲載  ・・・・・等々(以下割愛)

 たとえ著作者が「複製を禁ず」と明示していない場合であっても、上記例外を除いては著作権は存在しています。ですので、メルマガにおける例では、「『引用』の要件に該当しない複製を含む場合」には、著作権侵害となります。


 では「引用」とはどういうものか、については、著作権法第32条(引用)にこうあります。

 「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣例に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究、その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない。

  2 国又は地方公共団体の機関が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りではない。」


 この「引用の目的上正当な範囲」というのを具体的に言うと、慣例的に以下の基準が用いられているようです。

  1.量的に、「本文部分:引用部分」が「主:従」の関係にあること
     数量的に明確には表せないのですが、俗に7:3程度と言われてい
     るようです。以下の2.3.の要件と総合的に見て、個別に判断さ
     れることになるのですが、引用の部分が全体の4割以上ですと「引
     用の範囲を超える」とされることがあります。

  2.質的に、「本文部分:引用部分」が「主:従」の関係にあること
     あくまでも自分が書いた記事(著作部分)の方が内容的に中心とな
     っていることが必要です。引用部分の方に重みがあるような内容で
     は「引用の範囲を超える」とされることがあります。

  3.社会的慣行の範囲内であること
     ・他人の著作物を引用する「必然性」があること。
     ・カギ括弧や引用符号などをつけて、自分の著作部分と引用部分と
      を明確に区別すること。
     ・出典が明記されていること。
       (例:○○○○氏著「○○の研究」p.65より/メルマガ○○○
        ニュース○月○日号より・・・など)
      ※著作権法第48条(出所の明示)


 上記の範囲を超えると、「引用」ではなく「複製」とみなされ、著作権侵害となる可能性がありますので、十分注意しましょう。

 なお、著作権法第39条(時事問題に関する論説の転載等)も上記の例外のひとつで、新聞または雑誌に掲載して発行された「時事問題に関する論説」については転載が許されていますが、この場合でも「禁転載」とされている記事については「無断転載」はできません。

 ※新聞記事に関しては、多くの問題点を含んでいます。上記の「論説」は、社説を典型とする論説であって、記事一般ではありません。


  <<事例>>

 ●新聞記事のコピー&ペーストは?
   →原文そのままのコピーなら「複製」になります。
    「引用」の範囲にとどめるようにしましょう。

 ●新聞記事のリライト(書き換え・要約)は?
   →これはOKです。
    そこには創意工夫が入るため、問題ありません。むしろ、リライトした記事の方に「著作権」が発生します。

 ●事実報道あるいは政府広報物・法律などを、要約したものは?
   →そこには創意工夫が入るので「著作権」が発生します。「複製」はできません。


 また、メーリングリストや掲示板などの投稿を掲載したメルマガも目にしますが、この場合は予め投稿者全員に「このメーリングリスト/掲示板の投稿記事の著作権は主催者/サイト運営者が有するものとします」あるいは「投稿参加者全員が共有著作権を有するものとします」などとして承諾を得ておくことが、のちのちトラブルを避ける上では賢明です。


【3】メルマガ内に記載する「リンク」の責任================================

 原則として、通常のリンクは適法であり、法的には問題ありません。たまに「リンクをしたら連絡を」などの記述を見ますが、連絡のないリンクでも違法ではありません(メルマガに限らずホームページ上でも)。基本的には、リンクはすべて「フリー」であり、承諾を得ることは必要ありません。

 一方、「リンクする権利」とは別に「リンクに対する義務」には気をつけなければいけません。メルマガの記事中にあるリンク先が犯罪に関係するサイトであったり、読者がその記事からジャンプしてなんらかの不利益を被った場合、たとえ「トラブルが発生しても当方は責任を負いません」などと記載してあったとしても、免責されるとは限らないので気をつけてください。

 特に、以下のようなメルマガはその「注意義務」「保証責任」は重くなりますので、心してください。

  1.読者に期待され、信頼されているメルマガ
  2.発行者自身が「お勧めサイトです」「ぜひ行ってみて」「とっておき
    情報」「厳選コーナー」・・・などと、読者に勧めているリンク
  3.読者に子供、高齢者、インターネット初心者などがいるメルマガ
  4.会員制など、限定された読者のみのメルマガ
  5.有料のメルマガ

 上記に当てはまらない場合でも、「リンクだから関係ない」「私には責任はない」とは言えない場合もありますので、メルマガの中にリンクを記載する場合は、そのサイトの内容を必ずチェックするようにしましょう。

 さらに、いくら掲載する時点で確認をしていても、ホームページというのは生き物で、随時更新されて内容が変化してしまいます。ですから、念には念を・・・という方は、記載したリンクに「○年○月○日○時現在の情報」などと明記しておくとなお良いでしょう。

【4】その他、気をつけたい法律========================================

 この他メルマガの発行上考え得るトラブルとして「名誉毀損罪」「侮辱罪」「業務妨害罪」等にあたるものが考えられます。また、「不正競争防止法」「証券取引法」に抵触するという場面も想定されます。

 これらについては、通常の常識の範囲で編集・発行している限りはまず問題ありませんが、関心のある方・心配な方は、これを機会に一度法律の書物などをひもといてみてはいかがでしょうか。



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